【小説】恋は盲目
あれだけ好きだと伝えたのに。
感情も殺して舌も噛み切ったのに。
どんなに嫌なことも我慢したのに。
あんなことされても濡らしたのに。
味わったことない程不味い精液も飲んであげたのに。
応答セヨ。信号ナシ。
中に出セヨ。精液ナシ。
あれ?私はどうやらサメになったみたい。
とうとう貴方に冷めた。
ようやく目が覚めた。
でも好きじゃないこと認めたくなくってね。
ほら、私我慢強いから。
貴方の頭、電子レンジでチンしてみたけれど、マイクロ波で爆発してぐちゃぐちゃに脳味噌が飛び出ただけで冷たいまま。
今度はフライパンで揚げ焼きにしてみたけれど、油が跳ねてアタシの腕が火傷しただけでジュージュージューシー芳しい香りがするだけで冷たいまま。
やめた。
飽きた。
諦めた。
冷凍庫にぶち込んだ。
いっそ凍ってしまえば?
やっぱり私、冷めたし覚めたみたい。
一週間後。
冷凍庫を開けてみると、貴方は溶けてなくなってた。
ところが溶解物は熱く、39度8分。
何故。
冷たい涙が出た。
私は静かに火をつけた。
不器用な私達は精一杯の恋心を込めて業火に包まれよう。