独裁心中

せとらえとの子宮。掃溜の思考と考察、ホラーショートショートを綴る。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ショート

思考を止める事が出来ないぐらい沢山の事を考える。 手の動きはいくらでも止まるのだけど。 今日の事、明日の事、昨日の事、まだ起きてもいない事。考えなくて良い事を考えて、考えるなよという事を考える。 お酒を飲んでいると思考能力も知能指数も著しく下…

Adolf

神様はヒトラーだから弱い人を容赦なく殺す。ほら今日も通り魔に刺されて妊婦が死んだ。 「弱い人は嫌いです」忘れられない貴方の言葉。ほら今日もいつかの他愛ないが心に刺さる。 あの日全てを見た気がした。 全てを見て途方に暮れた。 溜息とか涙とかそん…

【小説】ノボリボウ

「お空に昇ろう」 そう言って俺はこの妊婦のへその緒を抜いてから食べた。いろんな意味で食べた。「あゝ不味い早よ死ね不味い早よ死ね不味い早よ死ね...」いろんな意味で妊婦はイッた。 俺は食べ終わると今日もまた進化し、空へと昇る準備が整っていくのだ。…

中絶ピアノ

ピアニストになるはずだった。 勉強で上位を取り続けたのもその為。 行きたい大学のピアノ科の為。 あの時死ねば良かった。 むしろ歳を重ねるごとに水子が将来の夢だった。 それも叶わないね。 病気になり幼い頃から親と約束した目指したピアノ科も受験すら…

【小説】清く濁流

私の家は散らかっている。ゴミ屋敷、なんて近所で噂されているらしい。10年前家族が焼け死んでから寂しくて、寂しくて、虚しくて、物を集める癖がついてしまったようだ。初めは粗大ゴミだった。修理すれば実用性がありそうだったからだ。でも、気づけば今は…

【小説】果ての乞食

私は上手く食事が出来ない。いつからだろう。気がつけば普通の食事を摂ると自然に嘔吐するようになった。自分が食べれる物を探して片っ端から試したが駄目だった。水さえも生臭くて、呑み込んでは吐き出す事を繰り返していた。みるみる身体は痩せ細り、立つ…

【小説】恋は盲目

あれだけ好きだと伝えたのに。 感情も殺して舌も噛み切ったのに。 どんなに嫌なことも我慢したのに。 あんなことされても濡らしたのに。 味わったことない程不味い精液も飲んであげたのに。 応答セヨ。信号ナシ。 中に出セヨ。精液ナシ。 あれ?私はどうやら…

【小説】子消し

人はーーーー かさぶたが出来るとめくる。 無駄毛が生えると剃る。 苛々すると爪を噛む。 髪が伸びると切る。 蚊に刺されると爪で十文字を作る。 一重が嫌だと二重にする。 暇だと愛液と精液をカクテルする。 少女はーーー 手首があるから切り刻む。 流れた…

【小説】保冷剤

保冷剤が溶けきってグニャグニャで機能しなくなって用無しで能無しで死んだ感覚が凄く愛おしく感じる。 あゝ、アレルギーが。アレルギーがまだオサマラナイ。 これで保冷剤いくつめかしら。もう数えるのもそろそろ飽きてきたわ。 アタシはアレルギー持ちで、…

【小説】clearance

人を殺したい。 あゝ、人を殺したい。 俺はただそれだけなのだ。 ただこの世は難しくも単純でつまらない規則に縛られていて、俺はそれによってそれを実行することが生まれつきできないのだ。生まれつき普通の人間なのだ。 右にならえ、前を向け、下を向くな…

【小説】むしゃぶる睡魔

午前零時。今日も1日が終わる。 あいつがクル。 あとは眠るだけなのに。明日の仕事に備えて眠るだけなのに。眠るのが怖い怖いコワイ。 「やあ。」 「また、、!また来たのか!?一体何日目だと思ってるんだ?!何日俺はお前のせいで寝てないと思ってるんだ…

【小説】咀嚼

「のり子、またそんな飲み込んで、、よく噛んで食べなさい!」 「ごめんなさい、、、」 私は食事を摂るのが苦手だ。一度も楽しいと思ったことはないし、おいしいと思ったこともない。口うるさいお母さんに食べ方を毎回指図されながら食べるのは肩身が狭く息…